新米待ち遠しかったです 丸山千枚田オーナーら稲刈りに汗

 熊野市紀和町の丸山千枚田で14日、オーナーらによる稲刈りが行われている。時折、小雨がぱらつく中、オーナーらが美味しい新米を楽しみに、収穫を体験した。

 農林水産省の「つなぐ棚田遺産」でもある丸山千枚田は1601年には2240枚あったと記される。平成5年には530枚まで減少したが、地域住民らが「丸山千枚田保存会」を結成。多くの応援を得て、現在は1340枚まで復元している。オーナー制度は棚田保全などを目的に平成8年度から導入された。令和6年度のオーナー数は174組921人、守る会々員は31組み42人。

 14日は県内外からオーナー76組234人をはじめ三重県労福協・ゆとり協会、相模女子大学、入鹿中学校の生徒、ボランティアやスタッフなど約650人が参加。受付を済ませたオーナーたちは、早速、自分の田へと向かった。

オーナーたちは丸山千枚田保存会(喜田俊生会長)やボランティアスタッフから説明を受け作業。三重県育成品種「なついろ」の実った稲穂をカマで刈り、束ねて干す「稲架掛(はさが)け」を体験した。子どもたちも稲穂に頬をくすぐられ、田の泥にはしゃぎながら稲刈りを楽しんでいた。

 午前10時30分からはセレモニーがあり、河上敢二市長がオーナーや千枚田保全に携わる人たちにお礼を述べ挨拶。オーナーを10年継続している4人に感謝状を贈呈した。かかしコンテスト入賞者の表彰も行われた。

 松阪市から稲刈りの集いに参加した家族は「今年は米不足が話題になっていたので、千枚田の稲刈りが待ち遠しかったです。新米をたっぷり頂きたいです」と嬉しそう。愛知県から参加したオーナーは「初めての稲刈りですが、こんなに重労働だとは思いませんでした。大変でしたが、来年もぜひ来たい」と汗を拭っていた。

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