台風10号は29日、鹿児島県薩摩川内市付近に上陸し、九州や各地に被害をもたらしながら進んだ。台風から暖かく湿った空気が流れ込んだ影響で三重県内も各地で豪雨。津市では30日午前７時までの24時間雨量が３２９㍉となり８月の観測史上最大となった。
三重県災害対策本部によると、29日から30日未明にかけ津、松阪、亀山、伊勢、志摩、鈴鹿、四日市、桑名、いなべ、伊賀、鳥羽市、南伊勢、玉城、度会、多気、明和、菰野、東員、朝日、大紀、大台町に大雨または洪水警報が発表された。松阪市の百々川、三河川、伊勢市の小木川、津市の天神川、赤川などで氾濫が発生し、付近の道路が冠水。津市では１棟が床上浸水、４棟が床下浸水した。
東紀州地域では尾鷲市で30日午前１時までの24時間雨量２３４・５㍉を観測。５世帯７人が自主避難した。県内は31日ごろからは台風本体の雨雲により激しい雨となる予報。県南部では９月１日午後６時までの24時間雨量が４００㍉と予想され、降り始めからでは８００㍉に達する可能性もあり、各自治体では注意を呼びかけている。
交通面ではＪＲ東海が松阪～伊勢奥津、亀山～新宮、多気～鳥羽間で運転を見合わせ、特急南紀（名古屋～紀伊勝浦）も運休。近鉄も五十鈴川～賢島間を運休した。
台風10号の影響により、紀南地方でもイベントの延期などが相次いでいる。31日に予定されていた熊野市井戸町の赤坂祭りは９月７日に、磯崎町での黒潮海童まつりは９月14日にそれぞれ延期。御浜町中央公民館で開催予定だった「中学生のメッセージ２０２４」（第46回少年の主張三重県大会）は中止となった。
