音と光の競演に感動 熊野大花火16万人の観衆魅了

 豪快無比、迫力日本一の呼び声高い熊野市の熊野大花火大会が17日、木本の七里御浜海岸や鬼ヶ城、熊野灘を舞台に開かれた。今年は土曜日開催、世界遺産登録20周年でもあり、16万人(主催者発表)が来場。約1万発の花火が次々と打ち上げられ、海岸を飲み込むように迫る三尺玉海上自爆や、豪華絢爛な鬼ヶ城大仕掛けが大音響と共に炸裂。三百有余年の伝統にふさわしい音と光の大競演が観衆に感動を与えた。

 南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)や台風7号の波など一時は開催が心配されたが、大会当日は晴天に恵まれ、花火日和となった。午前6時に開催を告げる号砲が打ち上がると、マイカーや列車などで花火客が熊野入りした。

 午後6時30分から海岸で初精霊供養が営まれ、地元住職や遺族らが冥福を祈願した。大会長・河上敢二市長の歓迎挨拶に続き、「紀伊山地の霊場と参詣道」の世界遺産登録20周年を祝う打ち上げで開演。初盆施主一同による追善の花園が海岸を明るく照らした。

 引き続き、地元・和田煙火店はじめ花火業者が技術の粋を凝らした追善仕掛けなどが海上の台船、鬼ヶ城から次々と打ち上がり、轟音と大輪の花が観衆を圧倒した。熊野灘の雄大さを存分に生かした花火絵巻が繰り広げられ、観客からは「どこをみても綺麗」と声が上がっていた。

 熊野花火愛好会は「世界遺産のまち熊野~熊野古道に想いを馳せて~」と題したワイドスターマインで魅了。家族への感謝やプロポーズを伝えるメッセージ花火にも感動が広がった。

 呼び物の三尺玉海上自爆は直径約600㍍にも開き、体の芯まで響くような衝撃に、会場からどよめきと感動の声が沸き起こった。フィナーレの鬼ヶ城大仕掛けでは、地元・和田煙火店による色鮮やかな花火が豪華絢爛に熊野灘や七里御浜を照らした。最後は来場者が携帯電話など光るものを振り、花火師たちに「ありがとう」のメッセージ。余韻の残る中、大会を終えた。

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