猛毒クラゲに注意を 熊野市カツオノエボシ複数確認

 猛毒を持つクラゲ「カツオノエボシ」が熊野市内の海岸で目撃されている。触手に強い毒を持っており、電気クラゲとも呼ばれる。その名の通り、刺されると電気ショックを受けたような痛みが走り、アナフィラキシーによる死亡例もある。海水浴などを楽しむ際は注意が必要だ。

 二木島町で海上体験型観光などを行っている「ブルーツーリズムくまの」の後山さんによると今週に入り二木島湾内や海岸でカツオノエボシの漂着を確認した。目視だけで30~40個体おり、後山さんは「浜辺や海岸、海面上でのレジャー、アクティビティの際は要注意です。目撃してもくれぐれも触れないようお願いします」と話している。

 カツオノエボシは本来、南の暖かい海域に生息する非常に危険なクラゲの一種。全長約10㌢だが、触手は平均10㍍だが長いものでは30~50㍍にも及ぶ。透明で青紫色をした袋状の体と長い触手が特徴で、水面に浮かんでいることが多い。美しい青紫色の外見からは想像できない強力な毒を持つ。海岸に打ち上げられ死んでいても、毒性が残っており危険なため触れてはいけない。

 万が一刺された場合は海水で洗い流し、タオルや手袋などを使って素手では触らないようにして触手を取り除く。患部を冷水や氷で冷やし、医療機関の受診が推奨されている。

 先月29日までに那智勝浦町の海水浴場「ブルービーチ那智」や新宮市の三輪崎海水浴場でも確認されており、両海水浴場は現在、遊泳禁止となっている。

 海水浴など夏のマリンスポーツシーズンを楽しく過ごすにはカツオノエボシの存在をしっかりと認識し、適切な対策を講じるなど安全第一を心がけることが大切だ。

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