「新宮紀宝道路」いよいよ開通へ 総会で関係者が一致団結 東紀州に高速道路をつくる会

 「東紀州に高速道路をつくる会」は29日夜、紀宝町役場で第22回総会を開催。今年秋、熊野川河口大橋を含む「一般国道42号新宮紀宝道路」の全線開通が予定される中、会員らは地域の悲願である紀伊半島を1周する高速道路(近畿自動車道紀勢線)の完成、そして地域を支える道路ネットワーク形成という総意を再確認し、引き続き団結していく意思を示した。

 近畿自動車道紀勢線は勢和多気JCT(三重)~松原JCT(大阪)までの335㌔。交通アクセスの利便性向上による観光振興、地域間交流の促進、物流の効率化、さらに災害時には当地域唯一の幹線道路である国道42号に代わる命の道として様々な面で期待されている。同会は東紀州地域や新宮市などから約200人の会員で構成。発足して22年目を迎える中、これまでの要望活動が実を結んで全線事業化が決定している。

 未開通区間は①紀宝町~新宮市の「新宮紀宝道路」(2・4㌔)②熊野大泊IC~久生屋町までの「熊野道路」(6・7㌔)③熊野市、御浜町、紀宝町の3市町をつなぐ「紀宝熊野道路」(15・6㌔)④新宮市あけぼの~三輪崎までの「新宮道路」(4・8㌔)⑤那智勝浦町八尺鏡野(やたがの)~串本町鬮野(くじの)川までの「串本太地道路」(18・4㌔)⑥串本町サンゴ台~すさみ町江住までの「すさみ串本道路」(19・2㌔)―の6ヵ所。

 国交省や県による各道路の整備状況説明では、新宮紀宝道路周辺は道路設計、公共移設補償、舗装工事などを推進。熊野道路はトンネル工事(大泊、木本、井戸東、井戸西地区)や有馬、久生屋地区での改良工事などを実施中。紀宝熊野道路では用地調査や買収などを進めているという。

 同会では今後も近畿自動車道紀勢線の早期整備と必要性を訴え、未開通区間の早期完成や工事着手、必要な予算確保などを国、県などに要望していく。廣畑勝也会長は「今後も地域の期待の高まりや我々の熱意を伝えてまいりたい」と意欲。来賓代表の谷川孝栄県議会議員は13年前の紀伊半島大水害を思い起こすとともに、いよいよ開通する新宮紀宝道路に思いを馳せ、「道路がつながっても、まだまだ要望が必要」と力を込めた。

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