夢を叶える「喜び力」高めて 古市さんが木本中で講演

 熊野市木本中学校(下古谷克典校長)は27日、若手講演家の古市和樹さんを招き講演会を開いた。全校生徒や保護者らが参加し、夢を叶えるための大きな力となる「喜び力」について語った。

 古市さんは名張市出身の25歳。高校生の時に交通事故で首を骨折し車椅子生活となる。リハビリにより自立歩行が出来るまで回復し、専門学校に通いながら高校バスケットの指導スタッフなどに携わった。株式会社てっぺん代表取締役でメンタルサポーターの大嶋啓介さんとの出逢いをきっかけに、生き方や夢の叶え方について講演している。

 古市さんの講演会は昨年に続いて開催された。古市さんはまず、「本気で喜んだことはありますか?」と問いかけ、アンケート結果から喜ぶことに躊躇する生徒がいることを紹介。「特にスポーツの世界では、喜びの範疇を越えてはしゃぎすぎて注意を受けることもある。相手の気持ちを考えることは日本人の素晴らしいところだが、自分たちの嬉しい出来事については相手の気持ちを考えたうえで素直に喜ぶということを実践してほしい」などと指摘した。

 続けて「誰かのために喜べる人は、しっかりとその様子を観察できている人。見ていないと相手の気持ちを考えられなくて、喜び方を間違ったりする。また、東日本大震災では東北楽天ゴールデンイーグルスが、阪神淡路大震災ではオリックスブルーウェーブが、誰かを喜ばせようと頑張り、ともにリーグ優勝した。誰かを喜ばせたいという思いに応援が増え、一緒に喜ぶことでエネルギーが高まった結果。こうした例は非常にたくさんある。誰かのために喜べる人、誰かを喜ばせたい人がどれだけのエネルギーを巻き起こすかを知ってほしい」と語り、過去最高のメダル獲得に沸いた東京五輪を例に挙げたほか、WBC日本代表ではヌートバー選手が取り入れた「ペッパーミル」が喜びのエネルギーを爆発させる大きなツールになったと伝えた。

 その後はレクリエーションなどを通じて「誰かのために頑張る、誰かを喜ばせるために行動するという力があれば、困難も達成できる」という実験や、生徒自身の目標を示す宣言とそれに対する応援、感謝を綴る時間もあり、生徒たちが〝喜び力〟を高めるべく実践。古市さんは「この学校はみんなで喜べるツールを持っている。それが『いいね!』。これにどれだけエネルギーを込められるか」と語り、生徒たちにエールを送っていた。

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