国土交通省紀勢国道事務所が尾鷲市の熊野尾鷲道路尾鷲南IC近くの国道42号線沿いに整備していた尾鷲南パーキング・防災拠点がこのほど完成。18日に完成式が開かれ、同日正午から供用が開始された。
国道42号及び熊野尾鷲道路においての休憩施設空白区間の解消と、今後発生が予見される南海トラフ地震等による大規模災害発生時に活動拠点として用いるべく整備したもの。同事務所によると▽国道42号では道の駅海山から道の駅熊野きのくにまで約25㌔区間に休憩施設がない▽当パーキング以南に雨量規制区間が2ヵ所ある▽災害発生時の道路啓開の基地となる施設の整備が必要―などから、ドライバーの休憩や安全確保と防災の両面を踏まえて整備に至ったという。
施設は、平常時については駐車場と情報提供装置、トイレが24時間使用可能な休憩施設となる。また、災害時には活動拠点となり、約700平方㍍の防災倉庫、約4200平方㍍の道路啓開資材置き場が機能。災害対策室を設置して道路啓開などの支部室として活用されるほか、自衛隊災害派遣の受入拠点や道路啓開・救援・救護車両の集結・活動拠点の場となる。
完成式では能登半島地震の犠牲者へ黙とうをささげ、加藤千速市長が「防災拠点機能とパーキング機能を併せ持つ施設。連携しながら様々なイベントや情報発信の拠点としてより良い利活用を検討していきたい」と挨拶。紀勢国道事務所の市川幸治所長が事業内容について説明し「完成は大規模災害発生時の迅速な応急・復旧活動に求められる、道路啓開作業の実効性の向上が図られることを期待するものです。能登半島地震などを踏まえ、引き続き更なる災害への備えをしていかなければならないと考えており、変わらぬご支援とご協力を」と呼びかけ、東豊県議と尾鷲市議会の仲明議長も祝辞を述べた。
その後、尾鷲節保存会が祝意に満ちた太鼓演奏を披露し、加藤市長や来賓がくす玉を開披。盛大に歓声を祝った。
なお、同施設は熊野尾鷲道路からの直接の乗り入れは不可。熊野市方面からは尾鷲南ICから、松阪方面からは尾鷲北ICからそれぞれ国道42号へ下りて乗り入れる。