白砂美しい海岸や熊野古道、人情味溢れる人々など熊野市新鹿町の魅力が詰まった地図「海と人と町ものがたり・熊野あたしかMAP」が完成した。活性化を目的に移住者や地元住民ら有志5人で立ち上げた「マップによる新鹿町活性化委員会」(近藤久史会長)が作成。3千部を印刷し、町内には広報くまのといっしょに全戸配布した。
同委員会のメンバーは新鹿町に移住し、喫茶店&ゲストハウス「アタシカデイズ」を営む近藤会長と、同町出身でUターンした水野ゆう子さん、関東出身の高田伊都子さん、それに地元の山口晋、西山光雄さん。単なる観光マップではなく、新鹿に来てくれる人に役立つ地図を作成しようと、昨年6月に委員会を組織し打ち合わせを重ねてきた。
町内外からの協賛金や寄付金を活用し、今年2月26日に住民主体の温かみある地図が完成した。町の魅力をPRして移住者を呼び込み、コミュニケーションを深め過疎化を防ぐきっかけとし、より良い新鹿町にしたいという想いのこもったマップ。絵地図作家・植野めぐみさんのイラストで新鹿海岸や熊野古道・二木島逢神坂峠、徳司神社、龍門滝など町の名所を紹介している。
また、新鹿のお店情報として25店舗を網羅。店舗情報には植野さんによる経営者らの似顔絵などが描かれている。植野さんが一人ひとりと話をし、特徴を捉えたイラストから〝新鹿人〟の親しみやすさが伝わる。
近藤会長らは「みんな新鹿が大好きだから、伝えたいことが多すぎてまとめるのが大変でした」と笑う。マップづくりを通じて多くの新鹿の人たちとのコミュニケーションも深まった。「大変だったけど楽しかった」と水野、高田さん。地図作りを通じて改めて新鹿の素晴らしさを体感したという。
マップを見た町の人たちからは「素敵なマップが仕上がった」「ここに住んでいても知らないことが結構あって面白い」「すごい。この絵は誰が描いたの?」などと好評。マップは町内の店舗や熊野市観光案内所、熊野古道センターなどで配布しており、マリンスポーツのイベントや古道歩きに来た人たちにも配るという。
近藤会長らは「いろいろなご意見があると思いますので、これからもマップを更新していきたいです。新鹿は素晴らしいところと、地元の人たちに誇りを持って欲しい。マップを基に新鹿や波田須の町巡りツアーもしたい」と地域活性化へ前を向いた。