道の駅「紀宝町ウミガメ公園」に隣接する敷地に建設された防災拠点施設の竣工式が20日に行われた。国、県、地元の自主防災組織や消防団のみなさんら関係者を迎え、完成を祝った。
建設は、近い将来に発生すると予測される南海トラフ巨大地震に備えてのもので、施設は①道路復旧資材を備えた防災倉庫②災害時に緊急的に一時避難をする防災タワー③道路復旧用の土を備えた資材置き場④道路啓開車両の集結・活動拠点―で構成している。
資材倉庫の整備は国土交通省中部地方整備局紀勢国道事務所によるもので、災害時用段差解消スロープ、土のう、応急組立橋、ユルゲートパイプ(仮設排水用)などのほか、大型トラック(10㌧)、ラフタークレーン(4㌧)も収容可能。
資材倉庫横に建てられた防災タワー整備は紀宝町の事業。3階建てで海抜約14㍍の場所に建てられ、屋上まで登ると約20㍍となる。最大収容人数は200人。設計監理はタツミ建築設計事務所、建築施工は株式会社幸榮建設。総事業費は1億4957万4000円。町によると、平常時から屋上スペースを道の駅利用者に開放することで、防災意識の向上を図ろうとしているという。
西田健町長は、町の新たな防災拠点の完成に喜びを表すとともに、災害への備えの重要性を再確認。官民一体で構築した「家族と私の命を守る地震・津波タイムライン」を活用した防災の一層の浸透と充実を図っていくことを強調。「タイムライン防災が日本の文化となるように」とむすんだ。
紀勢国道事務所の市川幸治所長は「今後起こりうる自然災害への備えについては、まだまだやらなければならないことがたくさんあります。紀勢国道事務所としましても、能登半島地震などを踏まえ、引き続きさらなる災害への備えをしていかなければならないと考えております」と述べた。