令和5年度第35回読書感想画中央コンクール三重県審査がこのほど行われ、三重県立木本高校の野葵依さんが最優秀賞に輝くなど、同校の美術部員や美術選択生5人が好成績を収めた。
読書感想画は感想文ではなく読書の感動を絵画で表現するもの。全国学校図書館協議会などが、子どもたちの読書活動を普及させたいという思いから毎年、コンクールを開催している。今年度は三重県コンクに小中高76校から9021点の応募があった。
木本高校からは美術選択生40人強が応募した。作品は1年生の時に仕上げたもので、好きな本を選んでイメージを膨らませた。三重県審査の結果、いずれも2年生で野さんが最優秀賞、中道祐衣さんと岩田小夏さんが優良賞、村田あやめ、山川紗奈さんが努力賞に選ばれた。
野さんは『いまさら翼といわれても』(米澤穂信著)を絵で表現。最優秀賞の知らせに「進路に悩んでいる女の子の心境が私とそっくりで、その気持ちを表したいと描きました。今まで自分の絵が高く評価されたことがなかったので、人生で貴重な経験になりました。やったんだという気持ち」と喜んだ。
優秀賞の中道さんは『52ヘルツのクジラたち』(町田そのこ著)から想像を膨らませ「子どもの頃から絵を描くのが好きで、こんな賞を受けられて嬉しい」。岩田さんは『世界から守ってくれる世界』(塚本はつ歌著)を絵にし「読書感想画は初めてで、描いてみると楽しくて、いい賞が取れてよかった」とそれぞれ笑顔。
また、努力賞の村田さんは『僕はイエローでホワイトで ちょっとブルー』(ブレイディみかこ著)から仕上げ「イメージして描くのが得意じゃないので、自分なりに試行錯誤しました。受賞できて良かった」。『告白』(湊かなえ著)を題材にした山川さんは「好きな本を表現して描いた絵が賞をとれて嬉しい」と話した。
野さんの作品は現在、全国審査を受けているという。美術科担当の池上亮さんは「物をしっかり観察し描く力を付けさせ、それらを土台として自分の頭の中に思い描いた『心象風景』を具体化し表現する授業を行っています。コンクールで5人もの方が受賞できました。本当におめでとうございます」と生徒たちの努力をたたえていた。