熊野市の河上敢二市長は19日、定例記者会見を行い、市の人口規模からしても積極的で大型の編成となる総額170億8101万1000円(前年度比0・3%増)の令和6年度当初予算案など2月市議会へ提出する27議案や、主な新規事業、金山町で進める大型農業関連施設「熊野アグリパーク整備事業」の基本計画などについて説明した。
一般会計当初予算案は133億6295万1千円で前年度比1・7%の増額。河上市長は「令和6年度はまちづくりの根幹となる第2次熊野市総合計画の後期基本計画の2年目。特に人口減少に危機意識を持ち、これまでの地方創生などの人口減少対策に新たな対策を加え、力を入れて取り組みます」とし、新規事業などについても説明した。
6年度予算では人口減少対策と災害対応重視をテーマに据え、熊野アグリパーク整備と熊野古道世界遺産登録20周年事業を重要事業として位置づけた。特に元日の能登半島地震被害を受けて市の防災対策を改めて見直す作業に着手。細部にわたって見直しを進め、まずは孤立集落の対策と避難所運営について改めて整備を進める。河上市長は「避難所運営については女性・子ども・高齢者への対応が十分にできているか反省する必要があり、女性や子どもの視点も含めて全庁挙げて再検討する。備蓄についてもただ食べるだけではなく、栄養バランスをどうしていくか。1月の地震後ということで予算案には十分反映できておらず、補正予算でも補っていきたい」とした。
熊野古道20周年記念事業は21事業を実施予定。主なところでは熊野大花火大会で記念花火を打ち上げるほか、宿泊・滞在効果を高めるべくナイトイベントを実施。鬼ヶ城千畳敷への竹あかりやキャンドルの設置、花火の打ち上げなどを計画している。その他PRにも力を入れ、観光客が多い田辺市本宮町との2次交通運行も視野に入れている。
商工業の分野では、物価高騰対策生活者・事業者支援商品券事業として、物価高騰等の影響を受けている市民生活への支援と地域経済への消費喚起として、市民一人あたり5000円のレインボー商品券を支給。外国人人材の活用について関係機関との連携により監理組合設立に向けた検討を行う「人材確保対策事業」に取り組むほか、文化芸術分野では「高虎サミットin熊野」を開催する。
新規事業等についての概要は後日順次掲載。