先月27・28日に県立美術館で開かれた「第51回三重県高等学校書道部門生徒・教員展」で、県立紀南高校2年の檜作和香さん(書道部)の作品が特選を受賞した。作品は今年11月に開かれる「第44回近畿高等学校総合文化祭福井大会」に三重県代表として出展される。
同展は県教委などが県内の高校の書道部員、クラブ顧問並びに書道教員の作品を一堂に展示し、書を学ぶ高校生が交流を深めるとともに友情を育む場とすることなどで、書道教育の振興を図ることを目的に開催された。
檜作さんの作品は、中国・清代の書家・呉昌碩(ごしょうせき)が77歳の時に臨書した「石鼓文」の一節をさらに臨書したもの。縦135㌢、横35㌢の紙2枚に58文字を書きとめた。昨年10月末の文化祭後から書き始めて約3ヵ月、本番2日前まで時間をかけて仕上げた。
作品づくりにあたって、檜作さんは「呉昌碩の作品は、丸みのある文字や均等な並びではなく基本と違うように感じるのが魅力的で、それに近づけられるように考えて制作しました」と回想。「白い紙ではなく黄色い紙を使うことで文字の映え具合も意識し、線の太さの強弱や筆の太さに苦労しました。2日前まで作品作りをしていたのですが、自分の中で1番の出来のものを出展できたと思います」と振り返った。
小学校3年生から習字を始め、書道は高校から本格的にスタート。特選の知らせに「驚きと作品を作るにあたって先生やいろいろな人に協力してもらったことに感謝したいです。家族も特選の報告を喜んでくれて〝次も頑張って〟と応援してくれました」と話した。
11月の大会に向け、作品のモチーフは変わらないが、より良いものを出展するために新たに一から書き直すという。「今までの作品を超えられるように。より呉昌碩に近づけられるように。私は気持ちが作品作りに表れてしまうところがあるので、気持ちに余裕を持って取り組みたい」と意気込んだ。
孝明校長は「目指していた特選を受賞できて良かったと思います。これまでの自分に自信を持って新たな挑戦につなげていただければ」と期待を寄せた。