熊野市南郡の小中学校で9日、始業式が行われ、冬休みを終えた児童生徒が元気に3学期をスタートさせた。各小学校では米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手から届いたグローブがお披露目されて児童たちを喜ばせた一方、元日に発生した能登半島地震の被害から、改めて自然災害への警戒を強めるスタートとなった。
熊野市の木本小学校では、児童たちを前に畑中祥司校長が「大きな地震があった石川県では、多くの尊い命がなくなり、今も電気がつかず、水道が出ない地区が多い。たくさんの家が壊れて住めなくなり、体育館などで避難生活をしている。心からお見舞いの気持ちを持ちましょう。そして、現地の映像からは建物の倒壊などで通れなくなっている道がたくさんあることが分かる。普段避難訓練などで通っている道が崩れていたら、別の道で高い所へ行くという判断を自分でしないといけない。普段から心がけよう」と呼びかけた。
続けて新学期への心構えを説き、大谷選手から贈られた3つのグローブをお披露目。全校児童が手に取って感触を確かめ、今後はルールを決めて仲良く使うことを確認した。
始業式終了後の休み時間には早速6年生がキャッチボールで〝初使用〟。寺前孝之丞君は「すごく軽い。ノックを受けたりして遊んでみたい」と笑顔を浮かべ、児童会長を務める岸畑結衣さんは「野球をしたことがないので難しかった。これからみんなで使ってみたい」と話していた。
また、御浜町内の小中学校でも大谷選手から寄贈されたグローブが届いた。各校3つずつで、グローブとともに「野球しようぜ!」というメッセージカードが添えられている。御浜小学校では届いた3つのうち、ひとつは低学年用でサイズが小さいもので、高学年から順に貸し出すという。