4年ぶりご神酒振る舞い “おかわりちょうだい” 大森神社天下御免どぶろく祭り

 800年以上の歴史を持つ熊野市育生町、大森神社の奇祭「どぶろく祭り」が23日に行われた。新型コロナウイルス感染症も収まりを見せる中、4年ぶりに「どぶろく」が振る舞われるとあって大賑わい。好天下、神社裏の広場には大勢の家族連れやグループが訪れ、「どぶろく」に舌鼓を打ちながら大いに交流を深めていた。

 東海地方で「どぶろく」の醸造が認められているのは伊勢神宮と白川郷、そして大森神社の三ヵ所。今年の「どぶろく」は氏子総代長の西正司さん、総代の市村善之、檜作正則さんによってひと月かけて約230㍑が造られた。

 午前10時から神事があり、神前に「どぶろく」を奉納。祷屋の中西正巳さん(尾川)、西垣内誠さん(長井)が諸神参拝を行い、五穀豊穣に感謝の意を表した。

 続いて、西総代長や来賓の河上敢二市長、久保智市議会議長、谷川孝栄、藤根正典両県議、野村廉士紀南地域活性化局長、奥山幸伸熊野署長、須賀真司熊野建設事務所長、榎本義秀熊野商工会議所会頭、中平孝之市観光協会会長や区長、氏子代表らが次々と玉串を奉てんした。

 この後、広場に会場を移し、正午から名物のどぶろくが来場者にふるまわれた。祭典関係者らがお神酒をもって会場を巡りお酌。地元の童心窯で作られた器に米粒残る白濁のどぶろくが注がれた。

 また、会場には出店がずらりと並び来場者を歓迎した。熊野鬼城太鼓のステージやカラオケなどの催しもあり、盛り上がった。

 今年の「どぶろく」は口当たりが良く飲みやすい仕上がりで、女性客らもグビグビ。客席からは「こっちもちょうだい」と次々と「おかわり」の声が上がっていた。大泊町から訪れた男性は「一口目は少し辛く感じたが、二口目からは口の中に甘みが広がり美味しい」と、天下御免の奇祭を満喫していた。

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