木本中生が的確に先導 小学生も熱心に取り組み 熊野市が総合防災訓練

 令和5年度熊野市総合防災訓練が2日、熊野市井戸町の木本中学校グラウンドを主会場に行われ、河上敢二市長や大西浩文副市長、久保智市議会議長、谷川孝栄県議、市消防本部職員、県職員、熊野署員、市議会議員、地元住民ら大勢が参加した。

 この日は「南海トラフを震源とする地震が発生し、大津波警報が発令された」との想定で避難訓練を実施。各地に地震発生を知らせるサイレンが吹鳴されると、海岸部の7地区で189人の住民が避難を行い、木本小児童も日ごろの訓練同様に木本中学校を目指して急坂を駆け上がった。

 その後、小中学生300人余りを2班に分け、体育館での避難所開設・運営訓練と、グラウンドでのロープ結索・脚立取り扱い・バール取扱い・情報伝達の各種訓練、警察車両見学、起震車による地震体験、煙体験の各ブースで訓練や体験に取り組んだ。

 このうち、避難所開設・運営訓練では中学生が先導して小学生を誘導し、体育館前で受付と振り分け、館内の案内、名簿作成を実施。館内では中学生によるパソコンを使った防災クイズもあり、子どもたちが楽しみながら防災について学んだ。

 また、グラウンドでのバール取り扱い訓練では、倒壊家屋の下敷きになった人を、バールをつかって救出。身の回りにあるものを工夫して当て木にし、てこの原理で倒壊したものを上げて救出するまでを子どもたちが実践した。

 また、ロープ結索では消防職員や消防団員から巻き結びなどを教わり、情報伝達訓練では無線でのやり取りも体験。河上敢二市長は「小中学生中心の訓練だったが、全ての訓練に熱心に取り組む姿から頼もしく感じました。特に避難所の受付は大人顔負け。ぜひ家族とも一緒に訓練を行ってほしい。皆さんは地域にとってとても大切な存在です。余裕があれば近所のお年寄りも助けてあげてください。南海トラフ地震は日ごろの訓練なくして対応できない。今後も訓練に励んでください」などと講評した。

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