熊野市紀和町の入鹿中学校(寺本育史校長)の花壇が令和5年度フラワー・ブラボー・コンクール(FBC)で県知事賞に輝いた。全校生徒10人が協力して育てた花々が校舎玄関前の花壇を彩り、訪れる人たちの心を爽やかにしている。
FBCは学校での花壇作りを通し、自然を愛する心を育ててもらう目的で中日新聞社と中部地域の7県1市が実施している。入鹿中には校舎玄関前に円形にデザインされた花壇があるが、近年は鹿による獣害により上手く活用できていなかった。しかし、今年度は鹿対策も考えつつ花壇を復活。部活動を引退した3年生らを中心に花壇整備に励んだ。
5月29日に育苗ポットにメランポジウム、日々草、マリーゴールド、サルビアの種をまき、7月4日に花壇へと移植。同24日から次々と開花が始まった。花壇上部の屋根で雨水や日光が当たらないという課題もあり、生徒たちが水やりや除草などをこまめに行なった。
また、小動物による被害などもあったため、夜間にはセンサー式の照明器具を設置するなどして対応。8月には台風の影響でメランポジウムなどのほとんどが倒れたが、木枝を支柱に起こすなどしてきた。生徒たちは花壇の除草だけでなく、前庭の除草や玄関付近の清掃にも力を入れ、3年生のアイデアのもと、総合的な美観が表現できたという。
花壇整備は生徒たちにも良い経験となり、地域住民や同校を訪れる人たちからも喜ばれた。生徒たちも「登校するたびに花を見て頑張ろうと思いました」「毎朝必ず視界に入る花壇が色とりどりで元気に咲いていて、私も一日元気でいようと思えました」と花から元気をもらった様子。「学校のみんなで協力して花を育てたことが、とても良かった」「自分の家でも花を育てたいと思いました」と花作りへの関心も深まった。
同校では次年度に「学校花壇設計図コンクール」「花と私の作文コンクール」「私たちの学校花壇を描いた写生コンクール」にも出品を予定。「学校をあげての取り組みを地域に発信していきたい」と話している。