熊野市有馬町、花の窟神社(山川均宮司)で2日、秋季例大祭が執り行われた。県の無形文化財にも指定されている「お綱掛け神事」も行われ、秋晴れの下、古式ゆかしく大勢の参拝者の手で大しめ縄が張り替えられた。
日本書紀に神々の母イザナミノミコトが葬られていると記される花の窟神社は、熊野灘に向かってそびえる高さ約45㍍の巨岩がご神体。毎年2月2日と10月2日に例祭があり、氏子や町民らがもち米のワラで編み上げた大しめ縄を新しいものに交換する。
この日は午前10時から神事があり、お祓いを受けた白装束の氏子が、季節の花などで飾られた〝お綱〟と呼ばれる大しめ縄をご神体の頂上に引き上げ固定。この後、お綱は参拝者によって国道42号を挟んだ七里御浜海岸まで引っ張られ、ご神体を取り囲むようにして神社付近の支柱にかけられた。お綱の準備が整うまでの間は藤紀実美さんによる舞の奉納もあった。
また、神事では山川宮司らが祝詞を奏上し、氏子総代や来賓が玉串を奉てん。有馬小5年生の湊百音、南くるみさんが浦安の舞、榎本紗衣、尾谷薗香さんが豊栄の舞を奉納し、ご神体の前で華やかに舞った。
七里御浜の白石を同神社に奉納するお白洲引き行事(和田仁祭典委員長、西村茂之実行委員長)は前日の1日に行われた。宵宮は取りやめ、規模を縮小しての斎行となったが、町民や子どもが元気よく花車を引っ張って旧国道を行進。道中では伊勢音頭や餅まきなどもあり、町内は祝意に溢れていた。