新米楽しみに収穫 丸山千枚田オーナーら稲刈りに汗

 熊野市紀和町の丸山千枚田で9日、稲刈りの集いが行われ、オーナーらが美味しい新米を楽しみに、収穫を体験した。

 農林水産省の「つなぐ棚田遺産」でもある丸山千枚田は1601年には2240枚あったと記される。平成5年には530枚まで減少したが、地域住民らが「丸山千枚田保存会」を結成。多くの応援を得て、現在は1340枚まで復元している。オーナー制度は棚田保全などを目的に平成8年度から導入された。令和5年度のオーナー数は157組887人。

 9日は県内外からオーナー66組274人をはじめ三重県労福協・ゆとり協会、入鹿中学校の生徒、ボランティアやスタッフなど約570人が参加。受付を済ませたオーナーたちは、早速、自分の田へと向かった。

 丸山千枚田保存会(喜田俊生会長)やボランティアスタッフから説明を受け作業。カマで稲穂を刈り、束ねて干す「稲架掛(はさが)け」を体験した。小さな子どもたちも顔をくすぐる稲穂や田の泥にはしゃぎながら稲刈りを楽しんでいた。

 午前10時30分からはセレモニーがあり、河上敢二市長がオーナーや千枚田保全に携わる人たちにお礼を述べ挨拶。オーナーを10年継続している2人に感謝状を贈呈した。かかしコンテスト入賞者の表彰も行われた。

 愛知県から稲刈りの集いに参加した家族は「毎年、千枚田のイベントに参加しています。今年も新米が楽しみ」と汗を拭いながら話していた。

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