熊野署(奥山幸伸署長)は7日、特殊詐欺被害を未然に防止した百五銀行熊野支店(伊藤隆支店長)と行員の上野美鈴さん、パートの山本尚子さんに署長感謝状を贈呈した。
同署によると、8月21日に熊野支店を訪れた50代女性から山本さんがATMの操作方法を尋ねられた。「振込の結果表を撮影し、送金完了画面の画像を送らなければならない」と話す女性を不審に思った山本さんは上野さんに相談。女性はSNSのFacebookで知り合った人から株を進められた旨を話したという。詐欺と判断した上野さんらは女性を応接室に案内し説得。熊野署に連絡し、詐欺被害を水際で防いだ。
上野さんは「早めの行動を取るよう心がけ、行員間で連携し、お客様の大切なお金を守れるよう努めたい。特殊詐欺や金融犯罪が少しでも減っていけば。高齢の方だけでなく若い方が被害に遭うこともあります。普段と違う行動をする場合は、信頼の置ける方に相談してから行動して頂きたいです」。山本さんは「振込の結果表を撮影して相手に送るという滅多にないケースで詐欺かもしれないと思いました。これからも今まで通りに声掛けをしていきたい」と話した。
同支店では昨年7月にも上野さんらが特殊詐欺被害を未然に防いでおり、伊藤支店長は「お客様に『詐欺では』と申し上げるのは勇気のいること。職員が勇気を持って対応し、お客様の大切なお金を守ることができて本当に嬉しいです」と二人を讃え「高齢者の方が多い地域だけに、今後も緊張感を持って取り組みたい」と語った。
奥山署長は「詐欺を防いだのは皆さんの意識が高いことの表れ」と感謝。「県内の特殊詐欺被害は昨年より増加しており、被害額は倍近い。ニュースなどで詐欺を知っていても、まさか自分が当事者になるとは思わない。これからも啓発活動を継続していかなければならない」と改めて気を引き締めていた。