校舎間のバス移動も 自立・共生・創造育む 紀南地域新高等学校

 令和7年4月に開校予定の木本、紀南両高校を統合した紀南地域新県立高等学校のコンセプト案がまとまった。4日、三重県熊野庁舎で木本高校の福田英成校長と紀南高校の孝明校長が発表。目指す学校像を「持続可能な社会の一員として、ふるさとを想い、未来に希望を持って幸福を実現する人材を地域とともに育てる『開かれた学校』」とし「美し国三重・東紀州の人づくり」を推進する。

 紀南地域新高等学校は現在の木本、紀南高校の校舎をそれぞれ活用する。全日制は木本校舎に普通科3学級と総合学科1学級、紀南校舎に総合学科1学級を配置。定時制は木本校舎に普通科1学級を設ける。

 両高校では7月26日から8月23日まで、地域住民らの意見を募集。令和4年度までの紀南地域県立高校活性化推進協議会での意見も踏まえ、新高等学校のコンセプト案を検討した。

 住民からのパブリックコメントは7件が寄せられ「魅力のある学校にしてほしい」「地域のことが学べる学校にしてほしい」「生徒数や教員数、資金が限られる中、教育の目的を明確に」「特定分野に絞った教育を」「熊野地域の特性を生かした取り組み」「防災教育」などの意見があった。この他、両校長が小中学校を訪れ要望や意見を収集。受験を控える生徒の関心が高く、できる限りコンセプトなどを明らかにしてほしいという声があった。

 今回示されたコンセプト案では、育みたい資質や能力には自立、共生、創造の3点が掲げられた。「つながる」学びの推進では、体育祭や文化祭などの行事を両校舎で合同開催。両校舎の生徒交流や活動を支援できるよう移動用バスの配備を要望している。今後は科目などの検討を深めていくという。コンセプト案は両高校のホームページで周知していく。

 新高校の目指す学校像などコンセプト案は次の通り。

【目指す学校像】

 持続可能な社会の一員として、ふるさとを想い、未来に希望を持って幸福を実現する人材を地域とともに育てる『開かれた学校』」。

【育みたい資質・能力】

◎自己肯定感を高め、夢や目標の実現に向けて主体的に学び続ける力(自立)。

◎人との出会い・つながりを大切にし、互いのよさを生かして協力・協働する力(共生)。

◎自分の可能性を信じ、何事にも積極的に挑戦し未来を切り拓く力(創造)。

【学びのコンセプト】

 仲間とつながる 地域とつながる 全国・世界とつながる。

【特色ある学び】

◎2校舎の独自性を大切にしつつ、統合により連携を強化して学びを充実。

◎幅広い選択科目を設置し、個に応じたきめ細かな教育を実現。

◎「防災・減災・復旧・復興」がキーワードの防災教育をはじめ、地域社会の課題解決をめざした探究活動『東紀州未来学(仮称)』を実施。

【「つながる」学びの推進】

◎2校舎が一体となった学び▼体育祭・文化祭・学習成果発表会等の行事を両校舎で合同開催▼移動用バスで両校舎の合同活動をサポート(予定)。

◎地域と連携した学びや活動▼地域との連携や外部指導員の活用により部活動を活性化▼コミュニティ・スクールの仕組みにより、地域と共に学びを支援。

【生徒の進路希望の実現に向けて】

◎普通科選抜コース=国公立大学・難関私立大学合格に向けて、徹底サーポート。

◎普通科普通コース=大学・短大・看護専門学校・公務員・就職等、幅広い希望に対応。

◎総合学科=多彩な系列の学びで、進学から就職まで、幅広い希望に対応。

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