熊野市の夏の風物詩となった紀州路最大の和太鼓イベント「響鼓in熊野」(仲森康純実行委員長)が6日、熊野市木本町の記念通り商店街で開かれた。新型コロナウイルス感染症の影響で4年ぶりの開催となった今年は、同時に最後の響鼓となった。「響鼓in熊野2023~theFINAL~」と銘打ったステージでは、地元太鼓団体やゲストらが雨空を吹き飛ばすような熱演で魅了。これまでの25回分の感謝を込めた鼓の音で有終の美を飾った。
朝から晴れと雨を繰り返す天候の中、スタッフたちが訪れた人たちに喜んでもらおうと丁寧に準備。出演メンバーらの寄せ太鼓の音色に引き寄せられた観客が足を運ぶ中、仲森委員長が「25回分のありがとうを込めて開催していきたいと思います。最後まで楽しんでください」と挨拶。歴代委員長も登壇し、響鼓への思いを語った。
会場周辺ではビアガーデンやいこらい市が設けられ、グループ連れや太鼓ファンらが交流。ステージはほたる夢太鼓(紀宝町)の演奏で開演した。
続いて熊野水軍子供太鼓(同)の子どもたちが元気良く練習成果を発揮。和太鼓大美和(桜井市)、熊野曼荼羅太鼓(新宮市)、響座いなせ組(松阪市)が響鼓の思い出を胸にバチさばきを披露した。
休憩をはさみ、新田元宮太鼓が寄せ太鼓。河上敢二市長がスタッフや来場者らに感謝の言葉を述べ祝辞。このイベントが地域に元気を与えていたことを語り、最後の開催を惜しんだ。
この後、創作太鼓紀宝楽(紀宝町)、熊野水軍太鼓保存会(同)、熊野鬼城太鼓が登場。響鼓を引っ張ってきた地元勢が最後までステージを楽しむかのように心地よい音色を響かせた。
響鼓でお馴染みの中橋敏彦さんや太江田律子さんらが所属する「祝祭太鼓團あっぱれWithブラザーズ」(大阪府)がステージを盛り上げ、最後は出演団体による「響鼓スーパーセッション~木本節組曲ver2023~」が繰り広げられ、盛り上がりは最高潮。中橋さんが指揮する中、市ふるさと観光大使・紀の川良子さんや木本節保存会の会員らも登場。会場は心踊りだすような太鼓の音と振動に包まれていた。
訪れた太鼓好きの熱気は雨にも冷めず、木本町のグループは「響鼓は毎回欠かさず楽しんできました。今年で最後となるのは寂しいが、スタッフの皆さん、これまで本当に楽しい時間をありがとうございました」と話していた。