高虎サミットin熊野 プレイベントで機運醸成 来年度開催へ実行委が発足

 熊野市で来年度開催予定の「高虎サミットin熊野」に向け3日、高虎サミットin熊野実行委員会が発足した。今年度は若かりし藤堂高虎をモチーフにしたイメージイラストコンテストやシンポジウムなどのプレイベントを行い、サミットへの機運を高めていく。

 藤堂高虎は戦国時代から江戸初期の武将。築城の名手として知られ、江戸城や伏見城、徳川期大坂城などを手掛けた。熊野市紀和町の赤木城跡は高虎が築いた近世城郭としてはもっとも初期の作品であり注目を集めている。

 高虎サミットは藤堂高虎にゆかりのある津市、伊賀市、滋賀県甲良町、愛媛県今治市で開催されており、熊野市は令和元年に加盟。来年度、同市が初めてサミット開催地となった。

 熊野市ではサミットを盛大かつ円滑に行い、あらためて市の歴史文化を発信していくため実行委員会を組織した。委員は藤田達生(三重大学副学長)、中平孝之(熊野市観光協会会長)、榎本義秀(熊野商工会議所会頭)、福岡淳史(赤木城とふるさとを守る会会長)、伊藤裕偉(三重県教育委員会事務局副参事)、三石学さん(熊野市文化財専門委員会委員長)。倉本勝也教育長が参与を務める。3日は市役所で実行委の設立総会と第一回総会が開かれた。委員長に藤田三重大副学長、副同に三石さんを選出。今年度の事業計画などを決めた。

 高虎研究の第一人者でもある藤田委員長は「高虎は日本を代表する近世城郭を作った都市プランナー」と述べ、初期の作品である赤木城跡はその元となった考古学的にも非常に価値のあるものであることを語った。サミットで赤木城跡が広く周知されれば、熊野の今後の観光・文化事業にも良い効果があるとし「サミットをうまく成功させたい」と挨拶した。

 サミットの開催時期は調整中。市教委によると、過去のサミットでは藤堂宗家やゆかりの地の首長、顕彰団体関係者ら約200人が参加し、シンポジウムや歴史ツアーなどが行われている。

 実行委員会として今年度は10月に高虎イメージイラストコンテストを企画。赤木城を造った当時の高虎が30代前半のため、青年武将として爽やかなイメージでサミットの象徴となるような高虎のイラストを募集する。

 11月には津、伊賀、甲良町といった縁の地を巡るバスツアーを予定。12月にシンポジウム、来年1月に親子を対象にした城巡りツアーといったプレイベントを計画している。

 次回の実行委員会は11~12月に予定。サミットの開催時期や行事を含めた計画案などを審議する。

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