海洋環境問題に取り組み豊かな里海を子どもたちに託す地域モデル事業「海のごちそうプロジェクトinみえ熊野」が熊野市で始動。22日、市民会館でキックオフイベントが行われた。
同プロジェクトは次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐため、海を介して人と人とがつながる日本財団「海と日本プロジェクト」の一環として、一般社団法人旅する学校が主催する。海藻を食べ尽くす魚を大切な食材として価値にあるものとし、マーケット開拓や新たな食習慣創出、社会貢献を促進。プロジェクト全体を子どもたちと一緒に考えることで世代を超えた持続可能な動きとする。
キックオフイベントには日本財団や旅する学校、熊野市観光協会、熊野市漁業協同組合などの関係者、来賓の山本佐知子参議院議員、谷川孝栄県議ら約20人が出席。久保智熊野市議会議長が開会を宣言した。
事務局の小野里伸さんが目的を紹介。日本財団を代表し西井諒さんが「全国7箇所で同様の取り組みを行っています。海の素晴らしさ、恵みの豊かさを知ってもらうプロジェクトになれば」と挨拶した。
来賓祝辞に続き、三重大学生物資源学部の松田浩一教授らが「海はおかしい!?いま何が起きているのか」、ゲイトの田中りみさんらが「Sea for School~海から始まる教育の可能性~」をテーマにトークセッション。キックオフ宣言でプロジェクトの始動を告げた。
同プロジェクトの主な内容は次の通り。
▼海藻を食べてしまう魚の現状把握と原料確保=現状、水揚げしづらい状況の海藻を食べてしまう魚を漁業者や漁業の協力を得て、水揚げしてもらい買い取る試み。
▼魚の処理技術研究およびメニュー開発=地元飲食店や漁業関係者と一緒に、大学生や高校生などに参加してもらい、魚のさばき方や処理技術研究、美味しく食べるためのメニュー開発。
▼飲食店連携とイベントの実施=地域内外の飲食店など20店舗と連携販売して、海で起きていることやストーリーを知ってもらうためのイベントを実施。