熊野市消防団(橋本智英団長)の令和5年度面隊訓練が25日、市消防本部で行われた。第1方面隊(荒坂、新鹿、泊分団)と第2同(木本、井戸、有馬、金山久生屋分団)の団員65人がファーストエイド・住民レスキューの技術を磨いた。
近年は遠距離中継放水の訓練が多かったが、今年は大規模災害時における初動対応の知識を深めるとともに、自ら救助活動を行う判断、技術の習得を目的に実施した。
訓練に際し、森村哲也副団長が「今回は急を要するケガや病気の人を助けるためにとる最初の行動であるファーストエイドや住民レスキューの訓練を行います。暑さの中ですので体調管理にご注意を」と挨拶。準備運動に続き、参加者が3グループに分かれファーストエイドや住民レスキューの講義、実技に励んだ。
ファーストエイドでは救急救命士から指導を受け、搬送や止血法などを練習。搬送では救助者を背中に担ぐ方法一つとっても重心や下半身の使い方次第で安定することなどに理解を深めた。
住民レスキューの実技では地震で倒れた家具の下敷きになった人を、バールでテコの原理を利用したりジャッキを使ったりして救助。安全な脚立の使い方や様々な場面で重宝するロープの結び方を学んだ。講義ではレスキューの心構えや南海トラフ地震の想定被害などに理解を深めた。
市消防では大規模災害の発生に備え、ファーストエイドや住民レスキューを広めたい考え。訓練を見守った北畑亨消防長は「今回は初めての取組としまして住民レスキュー。ファーストエイド訓練を行いました。南海トラフ地震の発生が懸念される中にあって皆さん、非常に一生懸命取り組んで頂きました」と話した。