泳げ!鯉のぼり君を継承 来年は「みんなの鯉のぼり」 七里御浜鯉のぼりの会納会で40年の思い出話に花

 ゴールデンウィークに熊野市の七里御浜海岸で「泳げ!鯉のぼりくん」を開催している七里御浜鯉のぼりの会(森岡忠雄代表世話人)は4日、井戸町のみどりやで納会を行い、40年の歴史にひと区切りをつけた。来年からは地元の若手有志らでつくる「みんなの鯉のぼり」(西垣内新代表)が「泳げ! 鯉のぼりくん」を引き継ぐことも決まり、会員らが安心して思い出話に花を咲かせた。

 七里御浜の鯉のぼり掲揚は約40年前のキス投げ釣り大会で、熊野市青年商友会が来訪者への歓迎の目印にと始めたのがきっかけ。その後、「七里御浜鯉のぼりの会」が発足し、熊野地の初夏の風物詩に定着した。しかし世話人の高齢化やコロナ禍による3年連続の掲揚中止などもあり、同会としての掲揚は今年で最後と決断していた。

 納会には世話人や関係者、谷川孝栄県議、久保智市議会議長、中平孝之観光協会長ら約50人が出席。森岡代表が「今年は4年ぶりに『泳げ!鯉のぼり君』を開催できて本当に良かった。きょうは40年間の思い出や未来に掛ける夢を語り合って」と挨拶。谷川県議も多くの思いがこもった会の活動に感謝の祝辞。大井伸剛市観光スポーツ交流課長が河上敢二市長からの地域活性化に尽力した会へのお礼のメッセージを代読した。

 第9回世話人代表の中村隆洋さんの発声で乾杯。出席した歴代世話人代表が一言ずつ思い出などを語った。初代世話人代表の金本弘さんは「まさに人が宝。事務局の人も大変だったと思う」と会員らの協力と友情の輪に感無量の表情だった。

 引き続き、活動を支援してきた川上組、ユウテック、木本老人クラブ、木本高校JRC部、熊野警察署、新宮信用金庫熊野支店、笠置木工、ナカムラに感謝状が送られた。最後は活動を引き継ぐ「みんなの鯉のぼり」が紹介された。森岡代表から鯉のぼりを受け取った「みんなの鯉のぼり」の西垣内代表は「物心ついたときから見てきた鯉のぼりをどうにか残したいと想いました。頑張って続けていきたい」と決意を示し、大きな拍手を浴びた。

 「こいのぼり」の歌も全員で合唱。最後は第35回世話人代表の島田満さんの三本締めで盛会の内に終了した。

 会員らは「引き継いでくれる人も決まり、ようやく肩の荷が下りた。活動を続けてくれて嬉しい」と話し、尽きない思い出話を肴に親睦を深めていた。

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