今回で最後となる「泳げ!鯉のぼりくん」が4月29日から5月5日にかけ、熊野市の七里御浜海岸で開かれた。木本町から井戸町の海岸約800㍍に250匹もの鯉のぼりが掲げられ、家族連れや観光客ら多くの見物客で有終の美を飾った。3日にはイベントも開かれ、キッズダンスやフラグループが華を添えた。
「泳げ!鯉のぼり君」は約40年前に当時の熊野市青年商友会が主催し、近畿地方一円から約800人の太公望を七里御浜海岸に集めた「キス投げ釣り大会」で、来訪者への歓迎の目印にと始めたのがきっかけ。その後、現在の「七里御浜鯉のぼりの会」へと受け継がれ、ゴールデンウィークの風物詩として愛されてきた。
今年は新型コロナの影響により4年ぶりの再開となったが、世話人の多くが70歳以上と高齢化が進み、今回で最後とすることを決めた。一方で、活動を受け継いでくれる団体や有志なども募っている。
今年で最後ということもあってか、七里御浜海岸には初日から多くの観光客や地元住民らが来場。保育所や小学校の子どもたちなども目立った。2日夕方には潮風で傷んだ鯉のぼりを張り替えるなど、関係者が最後まで楽しんでもらおうと努力を重ねた。
3日は熊野市のフラグループ「HanaHanaフラ」や、「ダンスチームM’s」、 那智勝浦町のフラグループ「Hula Hapuna」が合同でイベントを開催。鯉のぼりがずらりと並ぶ七里御浜海岸で華やかなダンスを披露した。
主催者を代表し、「HanaHanaフラ」の内海里江代表の夫で、移住者でもある内海邦明さんが「40年もの間も『泳げ!鯉のぼり君』を続けてこられた皆さんに感謝を伝えるイベントにしたい」と挨拶。久生屋町の東伸好さんが作詞作曲した「熊野が好き」もBGMとして流れ、内海代表が熊野市観光協会のふるさと大使を務めることから、3~5の3日間、同所で熊野市産ミカンジュースの販売と熊野市の観光PRパンフレットの配布、「熊野が好き」のCD販売も行われた。
イベントに出席した「七里御浜鯉のぼりの会」の森岡忠雄代表は「40年、先輩たちが思いを繋いでくれた。最高の舞台を用意していただいた」と、イベント関係者や、ゴールデンウィークに鯉のぼりを楽しんだ来場者に感謝していた。