万感の想い胸に作業 大型連休の風物詩が復活 泳げ鯉のぼりくん 約250匹が圧巻の〝群泳〟

 熊野市の七里御浜海岸で4月29日から、ゴールデンウィークの風物詩である「泳げ!鯉のぼりくん」が始まった。

 有志でつくる七里御浜鯉のぼりの会(森岡忠雄代表世話人)が、子ども達の健やかな成長を願うとともに、「観光熊野」をPRしようと行っているもので、今年で36回目。コロナ禍で令和元年以来4年ぶりであることに加え、同会を中心とする現体制としては最後の鯉のぼりとあって、様々な想いを込めた掲揚となった。

 午前9時から始まった作業には会員のほか四駆会、熊野地区防犯協会、熊野署、紀竜会、木本高校JRC部、新宮信用金庫らの団体、個人約120人が参加。結び方などの作業説明が行われ、250匹の鯉のぼりを取り付けた。当初の予定では例年より規模縮小し、獅子岩付近からカルバート付近までの海岸約500㍍に市民らから寄せられた鯉のぼり約150匹を揚げる予定だったが、コロナ禍の3年間に寄せられたものも追加。従来と同じ形での掲揚となった。

 その後、高々と鯉のぼりが掲揚されると、詰め掛けた子ども達や通りがかった観光客も大喜び。七里御浜海岸をバックに約800㍍に及ぶ鯉のぼりの〝群泳〟は圧巻で、早くも海岸に下りて記念撮影する家族連れの姿も数多く見られた。

 森岡代表世話人は「多くのご協力をいただき、やっと揚げることができました。海に向かって鯉のぼりが泳ぐ姿を見て、改めて最高の場所であることを実感しましたし、熊野から元気を発信したい。これまで想いをつなげて頂いた皆さんに感謝し、ぜひとも想いを今後につなげて頂きたい」と謝辞。開始当初から運営に携わっている金本弘さんは「この40年間、みんなが離れずに取り組んでくれたことは大きな財産。とにかく人に恵まれたことに感謝しかない。障がいのある子どもたちを招いて餅ほりを楽しんでもらったときの本当に嬉しそうな笑顔など、多くのことを思い出しました」と涙を浮かべて万感の想いに浸っていた。

 鯉のぼりは5日まで掲揚されており、3日(水)午前11時から約1時間は旧消防署下でHanaHanaフラ、DANCE TEAM M’s、HulaHapunaの合同ミニステージを予定しており、みかんジュース販売なども実施。「旧消防署下では寄付金の協力を募るボックスも用意しています。ぜひ七里御浜に降りて、楽しんでいただければ」と呼びかけた。

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