みかん産業の発展や高速道路 大畑町長と一見知事が対談 御浜町の発展と振興へ

 御浜町の大畑覚町長と一見勝之知事による、地域の課題等について議論する「知事と市町長との円卓対話」が1月30日、町中央公民館で行われた。両者は①「みかん、やったらええやん」と言い合える町を目指して②御浜IC(仮称)アクセス道路の早期整備―をテーマに意見交換。対談に先立って、一見知事は今回のテーマに関連するJA伊勢三重南紀統一柑橘選果場と介護老人保健施設「きなん苑」(屋上)を訪問し、地域の良質なみかんの選果の流れを視察したり、御浜町を通る「紀宝熊野道路」の予定ルートを確認したりした。

 〝みかん産地〟御浜町の現状について、大畑町長は生産量がピーク時(昭和62年)の3分の1に減少している現状や農家人口も減少の一途をたどっているなど課題を紹介。それらへの対応策として、補助事業や産地を守るための施策、高品質みかんをつくるための方策、新規就農者の受け入れ、次代につなげるための取り組みなどを説明した。町の柑橘振興を見据えて、大畑町長は①指導的役割の担う人材の確保②みかん栽培における農繁期(9~10月)の労力確保③高価格で販売できる味一号(みえの一番星)の増産―への協力を求めた。要望を受け、一見知事は「労力の確保は最も大きな問題。移住という面も含めて多くの人に御浜町に来ていただくことが必要。これからは〝この市町にはどんなタイプの移住が合うのか〟ということを考え、県もバックアップしていかなければ」と危機感を共有。農繁期には休業期間中の大学生に手伝ってもらうこと、スマート農業を生かした作業の省力化などの考えを述べた。

 御浜IC(仮称)アクセス道路も関連する紀宝熊野道路について、生命をつなぐための役割だけでなく、流通など様々な効果が期待される。大畑町長は「予算をつけていただくよう、一緒になって汗をかいていただければ」と、遅れることなく早期に完成・開通させられるよう引き続き県の協力を依頼。これを受け、一見知事は「紀宝熊野道路は近畿自動車道紀勢線の背骨」と強調し、これまで同様、関係機関が一体となって国に働きかけていきたいと伝えた。

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