熊野市育生町、大森神社で23日、例大祭が営まれた。氏子総代らが醸造した「どぶろく」を神前に奉納し、五穀豊穣に感謝の意を表した。
東海地方では大森神社と伊勢神宮、白川郷の三ヵ所が「どぶろく」の醸造を認められている。毎年、大森神社の例大祭は800年有余年の歴史を持ち、「どぶろく祭り」として来場者にどぶろくが振る舞われ賑わう。しかし今年も新型コロナウイルス感染拡大防止のため、催しを見合せた。
神事では氏子総代の西正司、市村善之、檜作正則さんによって約30日かけて造られたどぶろくを奉納。祷屋の橋本智英さん(尾川)、田本繁和さん(長井)が諸神参拝などを行った。続いて西総代らが次々と玉串を奉てんした。
例年、どぶろく祭りがある年は約230㍑を製造するが、今年は約70㍑のどぶろくを仕上げた。参拝者には御神酒としてどぶろくが出され、口をつけた人たちが「美味しい」と目を大きくしていた。
総代の西さんは「無事に神事が終わってホッとしています。来年こそは振る舞いのあるどぶろく祭りができればいいな」と話していた。