まちづくりへ関心深め くまの未来議会 中学3年生が議会体験

 熊野市の中学生が市議会を体験する「熊野市の未来を考える中学生議会(くまの未来議会)」が19日、市役所内の議場で開かれた。市内の全中学3年生102人を対象に実施。

 9人の生徒が中学生目線で行財政や福祉、防災、人口問題、集客など熊野市の未来について一般質問を繰り広げた。

 市教育委員会が主権者教育の一環として開催。市政や議会の意義・仕組みを学び、地方自治への関心を深め、地域課題を解決しようとする態度の育成、社会の形成者として必要な資質・能力の育成に取り組む機会とすることが目的に初開催した。

 生徒たちは事前学習を行い、くまの未来議会に臨んだ。午前中は木本、新鹿、入鹿、飛鳥中生徒50人、午後からは有馬中生徒52人が熊野市役所を訪れ、議場見学などで議会などについて学んだ。

 一般質問を前に、市議会の久保智議長が「私も初めて一般質問をしたときは緊張で頭が真っ白になりました」と中学生たちの緊張をほぐし「肩の力を抜いて、堂々と質問を」と挨拶。河上敢二市長は「成人年齢が18歳になりました。皆さんも後3年経てば選挙権を持ちます。この体験を通して、熊野市のまちづくりがどの様に進められるかの一端を感じていただき、選挙権を通じて政治やまちづくりに係わる貴重な体験としていただきたい。皆さんはこれからの熊野市、日本を背負って立つ貴重な人材。これからの活躍を心から期待します」と激励した。

 この後、一般質問へと移り、午前中は畑中恵理奈(木本中)、福田大貴(飛鳥中)、松田貫汰(新鹿中)、中山蒼天(入鹿中)、森本叶多さん(木本中)、午後からは有馬中学校の角谷謙二郎、濵中まこと、溝口日向子、妻有真瑚さんが熊野市総合計画や山崎運動公園、教育、福祉、津波からの避難、後継者育成、定住促進、観光イベント、アグリパーク構想などについて一般質問。市政への素直な感想など子どもたちのしっかりした意見に、執行部も真剣な表情で答弁していた。

 最後は河上市長が「皆さんから市が抱える様々な重要な問題について鋭い質問をいただきました。残念ながら、中にはすぐに市で十分対応できないものもございました。市が今対応できないものは皆さんが選挙権を持って政治にかかわることが出来るようになった時、皆さんご自身でぜひとも解決していただきたいと思います」と総括した。

 一番手で一般質問した木本中の畑中さんは「市役所の皆さんが市民の事を考えて、市の課題に取り組んで仕事をしてくれていることがよくわかりました。緊張したけど、なかなか出来ない貴重な体験をさせていただいてよかった」と話した。

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