熊野市井戸町大馬、大馬神社(山東美晴宮司)奥宮の遥拝所に10日、立派な一本立ての金幣がお目見えした。誰でも参拝しやすいようにと氏子らが手作りで整備している遥拝所が神々しさを増している。
奥宮の本殿は石階段を登った先にあり、地域の高齢化が進む中で「お参りしたいけど、足が悪くて中々行けない」という声を受け、2017年に清滝橋を渡った先に遥拝所を設けた。住民らがコツコツと整備を続け、今年5月ごろからは鳥居や簡易の手水舎を設置。敷地に玉砂利を敷くなどしてきた。
この度、高さ約1㍍50㌢、幅60㌢の金幣が出来上がり、10日に奉告祭が営まれた。総代会の三角田愼二会長や氏子ら約20人が参列。本殿から氏神様を宿した金幣が遥拝所へと移された。
山東宮司は「5年前に氏子の皆さんに遥拝所の設置を相談させていただきました。素晴らしい遥拝所にしていただいた」と感謝。三角田会長は「昔はすべて歩いて参拝していましたが、時代の移り変わりがあります。お参りの原型にできるだけ近い形で、お参りしやすくしていければ。遥拝所は何年もかけて地を固めて、皆さんの思いが一つにまとまってこれだけの物が出来ました。これからも氏神様を盛り上げ、安らぎが感じられる大馬神社にご協力いただければ」と話していた。