11月に「伝統花火存続のための打上花火」開催を計画している熊野市観光協会(中平孝之会長)は9日、市内17ヵ所に募金箱を設置。鬼ヶ城大仕掛け級の花火ができる1500万円を目標に、寄付への協力を呼びかけている。
300有余年の伝統ある熊野大花火大会は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、今年も中止が決まっている。元々は追善供養のための花火。同協会では熊野大花火で毎年フィナーレを飾る鬼ヶ城大仕掛けを手掛けている和田煙火店も苦境に直面している中、
地元唯一の花火業者を支援し、伝統を守っていく観点での打上花火を計画した。
同協会では9月30日まで市内外から現金や書留、振込などで寄付を募っている。9日には駅前の市観光案内所や市役所、市民会館、宿泊施設などに募金箱を設けた。募金箱は花火玉を模したもので、観光案内所と市役所は1尺玉(10号)、それ以外は8号サイズ。
中平会長によると、寄付の目標額は鬼ヶ城大仕掛けに必要な約1500万円。熊野大花火大会は3年連続で中止となっており、その分、和田煙火店にも影響が生じている。同店では伝統を守ろうと様々な経営努力を重ねており、中平会長は「和田煙火店がなくなると、追善の花火もできなくなる。伝統ある花火大会、和田煙火店を守っていくため出来ることをやりたい」と募金等への協力を訴えた。
11月の花火の内容は今後煮詰めていくが、アルコール類の持ち込み禁止や飲食の制限など、感染防止対策を徹底していくという。寄付などの問い合わせは同協会(0597・89・0100)または同協会ホームページの参照を。募金箱を設置している施設は次の通り。
熊野の宿海ひかり、ホテルなみ、ビジネスホテル河上、ビジネスホテルみはらし亭、ホテル瀞流荘、湯元山荘湯ノ口温泉、里創人熊野クラブ、鬼ヶ城センター、道の駅熊野・花の窟、市観光案内所(熊野市観光協会)、駅前特産品館、熊野古道おもてなし館、記念通り商店街(いこらい広場)、道の駅熊野・板屋九郎兵衛の里、文化交流センター、市民会館、市役所