熊野商工会議所(榎本正一会頭)は6月29日、熊野市文化交流センターで通常議員総会を開き、昨年度の収支決算などを承認した。
総会は新型コロナウイルス感染拡大防止のため昨年同様、来賓招待なしで議案説明も要点のみで実施した。
榎本会頭は挨拶で、コロナにより経済活動の制限と緩和が繰り返された厳しい1年を振り返り「特に中小企業・小規模事業所においては、少子高齢化や人口減少、事業承継等構造的な課題が山積する中で、世界的な供給制約、資源価格の高騰、デジタル化等事業環境の変化への対応が求められるとともに、令和4年2月に勃発したウクライナ危機をはじめとする不安定な国際情勢など、極めて深刻な経営環境下におかれています」と述べた。
榎本会頭はコロナ禍での国、県、市の支援に感謝するとともに「令和4年度の市内の経済状況を見れば、コロナの規制緩和等もありスポーツ交流、観光施設等も動いてきていると実感があり、大変うれしい事ではありますが、やはり円安、物価高、エネルギー価格の高騰等で事業者の皆さんは大変厳しい状況が続いていると言えます。こうした状況に対して、引き続き三重県、熊野市に対して支援要望を行ってまいります」と話した。優良従業員の表彰にも触れ、受賞者を祝福した。
議事では昨年度の事業や収支決算、定款の一部変更など10議案を審議。定款の変更は副会頭の人数を現状の3人以内から4人以内に増やすもの。現段階では副会頭を4人選出する訳ではなく、組織体制をより柔軟に対応できるようにするためという。
令和3年度は一般会計の収入決算額5125万8798円に対し、支出決算額4052万3354円。中小企業相談所会計や退職給与など各積立会計、特別会計なども含め総額の収支決算額は収入1億6131万1092円に対し、支出8030万8179円。差引残高8100万2913円を令和4年度に繰り越した。
なお、今年は速水博嗣(有限会社桂建設、勤続年数27年5ヵ月)、干場是之(熊野精工株式会社、同14年9ヵ月)、小井章裕(三重交通株式会社南紀営業所、同10年5ヵ月)、今西将隆さん(熊野精工株式会社、同10年)を優良従業員として会頭表彰。例年は総会で表彰しているが、コロナ対策として後日、榎本会頭から個別に表彰される。