安全活動や後進育成に尽力 元紀宝町消防団 向井治さんに勲章伝達

 令和4年春の叙勲で、瑞宝単光章(消防功労)を受章した元紀宝町消防団長・向井治さん(74)への勲章伝達式が24日、町役場であった。天皇陛下から贈られた勲章と賞状を手渡し、西田健町長は地域の安心安全や後進育成への活動に深い敬意を表し、「最高の章。これ以上の章はない」と言葉を送った。

 向井さんは昭和54年5月に紀宝町消防団に入団し、平成23年4月に団員仲間からの推薦で町消防団長を拝命した。退団した平成31年3月までの39年11ヵ月、団幹部として消防行政に参画し、施設の充実や団員の待遇に意を尽くした。その功績から、これまでに県から消防精励・精勤・功績章、消防庁長官から永年勤続功労章、日本消防協会長から勤続章など5つの章を受章している。

 団長就任から5ヵ月後に紀伊半島大水害が発生。向井さんは団員を指揮し、地域の安全見守りや救助活動等に力を尽くした。西田町長は「団長に就任早々、大変なことが起こりましたが、先頭に立って団員を指揮していただき助けていただいた。団長の人間性があって周囲との信頼関係が築かれた。常日頃の姿勢を見てみんながついてきてくれた」と称賛した。

 向井さんは「こればっかりはひとりで頑張ってもどうしようもなかった。助けてくれたみんなのおかげ」とはにかんだ。

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