コロナ禍になってから初めて移動自粛要請などがなかった今年の大型連休。熊野市や南牟婁郡の観光地や道の駅などには多くの観光客らが訪れた。
3日の鬼ヶ城センターは県外ナンバーの車両で満車。駐車場に入り切らず、停車する車両が近くのビジネスホテル周辺まで伸びた。御浜町の道の駅パーク七里御浜ではキャンピングカーも目立った。紀宝町ウミガメ公園は通常より営業時間を延長。家族連れらで賑わった。
中でも人気だったスポットの一つが熊野市紀和町にある小船梅林のキャンプ場。同キャンプ場は、北山川と熊野川が合流する場所で、小船梅林の河川に約1㌔近く、きれいな芝生が続く。使用料が無料、時間制限もない開かれたキャンプ地。口コミやSNSで評判が広がり、県外から多くの家族連れやバイカーらが訪れた。
2日から3日にかけてはテントだけで70以上が張られた。早朝からどんどんとキャンパーが訪問した。中にはゴールデンウィーク中は入浴を近くの温泉で済ませ、同キャンプ場で長期間過ごすという家族も。
同キャンプ場は小船地区の住民の親切心で芝生やトイレなどが管理されている。キャンプ客らは清掃されたトイレに自ら善意の協力金を支払うなどし、感謝しながら使用していた。
名古屋から友達とツーリングで訪れた50代の男性は「ここは、誰にも教えたくないキャンプ場ですねー。本当に、素晴らしい所です」と話していた。地域住民によると、昨年のゴールデンウィークは多い時で500人近くが訪れた。移動規制ない今年は更に多くの人がキャンプなどを楽しんだと見られる。熊野市木本町から訪れた50代男性は「以前に芝生で火事がありしばらく利用できませんでしたが、キャンプ客は火起こしをシートの上で行うなど、皆さんマナーが良く感じました。この宝物のようなキャンプ場を失わないよう、大事にしているなと感じました」と話していた。