御浜町は25日夜、阿田和の中央公民館で紀南病院線整備事業の説明会を開催し、地元住民に計画図を示した。同線は国土交通省が整備を進める「一般国道42号紀宝熊野道路」に連結する道路。町では高規格道路の整備効果を町内にもたらす重要な道路として、計画路線沿線の町民に用地など理解と協力を求めた。
説明会は新型コロナウイルス感染症対策を徹底して実施。はじめに丹羽要樹副町長が「心苦しく思いますが、この事業は大切な財産である土地をお譲り頂くお願いや、住み慣れた家の移転などをお願いさせて頂くことがでてきます。丁寧な説明、対応で事業を進めさせて頂きたい。紀伊半島一周高速道路の実現は、町にとって大規模災害時の救命救急活動、救急病院までの搬送時間を短縮する命の道、産業観光の活性化に寄与する道として、沢山の整備効果が期待される地域にとって大変重要な道路。紀南病院線も同様に整備効果を町内にもたらす重要な道。一日も早い開通に向け、国や県と連携して頑張ってまいりますので、ご理解ご協力をお願いいたします」と挨拶した。
町建設課職員の説明によると、新しい紀南病院線は現在の国道42号から紀南病院までの道路を拡幅。紀南病院裏手に設置が見込まれている紀宝熊野道路御浜インターチェンジ(仮称)への接続道路へと延伸させる。
新「紀南病院線」は全長890㍍の2車線片側通行。道路幅は国道42号から紀南病院付近までが車道片側3㍍、路肩50㌢、歩道2㍍50㌢の両面合わせて幅員12㍍。紀南病院付近からインターチェンジまでは歩道が片側になる。
町では昨年1月14日に地元説明会を開催。その後、現地測量や地質調査を実施し設計を進めてきた。25日の説明会では完成した計画図が初めて公表された。
町建設課によると、今後の予定は令和4年度に1年かけて道路の詳細な設計を行う。設計が完了すれば用地立ち会いを経て、実際に道路に必要な用地の幅を決める段取り。具体的な予定は、紀宝熊野道路の完成予定が示されていないため見通しの立たない状態だが、用地交渉が済んだ場所から工事に着手したい考え。
説明会に参加した住民からは計画路線に掛かった場合、立ち退かなければならないのかなどの質問が出ていた。