三重県は14日、令和4年度当初予算案を発表した。一般会計は2年連続過去最大規模となる約8194億円(前年度比4%増)。一見勝之知事初の当初予算編成となり「ふるさと三重前進予算」と銘打った。17日の県議会本会議に提出する。
当初予算は4年連続で右肩上がり。歳入は県税収入約2653億円(前年度比11・8%増)。前年度にくらべ経済が持ち直しつつある状況から法人事業税と法人県民税、地方消費税の増収を見込んでいる。
新型コロナウイルス感染症や防災減災対策、観光振興などを増額した。コロナ関連費用は554億円で前年度から6億円増。この内、病床確保や検査などの防疫対策費が446億円(前年比50億円増)で約8割。コロナ収束後を見据え、中小企業や小規模企業の業態転換なども支援していく事業を行う。
観光振興関連予算は、コロナ禍で落ち込んだ観光地の再生に向けた事業者支援や、拠点滞在型観光振興などに、前年比12億円増の24億円となった。
防災減災は前年比19億円増の518億円。河川の土砂撤去に過去最大規模の141億円を投入。災害時のドローン活用なども進める。災害時の情報収集や指示などを行う「防災センター」設置に向けた調査も実施する。
県民の意見を反映する県民参加枠「みんつく予算」は約4500万円で219の提案から観光や移動手段確保など9件を採択した。
一見知事は「県が引き続き発展するための必要な予算にメリハリを付けた」とし、当初予算に「三重県が日本や世界で輝いて欲しい」との願いから「ふるさと三重前進予算」と命名。「まずは新型コロナウイルス感染症対策を先手先手で進める」と述べた。災害対応力や観光等の産業振興、人口減少対策などを課題に挙げた。