地域応援の経済支援 三重県が支援金復活検討

 三重県議会の全員協議会が21日に開かれ、当局が新型コロナウイルス感染症対策について説明した。熊野市・南牟婁郡選出の谷川孝栄県議は「まん延防止等重点措置」の重点措置区域になっていない東紀州5市町の支援について質問。県からは国の事業復活支援金や、県独自の地域経済応援支援金の活用を検討していく考えが示された。

 谷川県議は「まん延防止等重点措置」の重点措置区域から東紀州が外れている理由について説明を求めた。担当部長は直近1週間の人口10万人あたりの感染者数25人以上などの基準を示し「保健所を区切りに見ており、熊野は高い数値だったが限られた家族の中でまん延しており、全体的にまん延していないから外れた」と理由を語った。

 谷川県議はオミクロン株の感染力はこれまでと異なることや、県平均29・5%の高齢化率に比べ東紀州は43・10%と極めて高いことなどを考慮する必要性を語った。重点措置区域でないことから飲食店に協力金がないことについても「措置に関わらず、地域の皆さんは地域を守る意味で外にでなくなっている。飲食店にも影響が直撃する」と不公平感を憤った。

 一見勝之知事は専門家等にも意見を聞いた「まん延防止等重点措置」区域の選定について理解を求める一方で「私も酒屋の息子。飲食店の苦しさはよく分かっている」と述べ「それ以外の地域で経営が苦しい飲食店の方を支援する形がないか検討しているところ」と述べた。

 県雇用経済部長は来週以降制度内容がはっきりする国の事業復活支援金と、昨年8~10月に実施した三重県地域経済応援支援金を復活させる支援策を検討していることを明らかにし「2つを上手く組み合わせる形で地域経済を応援できる制度を検討したい」と答えた。事業復活支援金はこれまでの月次支援金と同様に、まん延防止等重点措置の協力金とは併用できないと推測しているという。

 昨年実施された三重県地域経済応援支援金は、飲食店だけでなく外出自粛等で影響を受けた事業者を対象にしており、今回も前回同様にコロナで売上が落ち込んだ事業者支援への期待が寄せられる。

 谷川県議は申請が確定申告の時期と重なった場合、申請者が混乱しないような支援や、早急に支援金が行き渡るよう要望していた。

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