熊野市農林業振興課は14日、紀和保健センターで熊野産唐辛子を活用した料理講習会を開いた。市内の飲食店の関係者ら11人が参加。スパイスが生み出す豊かな食文化への理解を深め、新たな味のヒントを探った。
唐辛子は暑い地域での栽培に適し、その辛さから獣害にも遭いにくい作物。市では様々な種類の唐辛子栽培を行っており、ブランド化推進のため「辛いものフェア」などにも取り組んでいる。
料理講習会は市が唐辛子関連商品の助言を受けている株式会社「マルシエロ」取締役の小河英雄さんを講師に招いた。小河さんは国内のラテンアメリカ料理の第一人者と言われ、東京都の人気ラテンアメリカ料理店「TORO TOKYO」のエグゼクティブシェフなどを務めた。現在は店舗のみならず20カ国ほどの在日中南米大使館でのイベントやケータリングなどでも活躍。各国の食文化を伝える「料理で旅」を実践している。
参加者にカカオのウェルカムドリンクを配り、食と健康との関わりを語った小河さん。食文化は様々な人々が知恵と工夫により生みだしてきたとし、スパイスも文化と密接な関係があることを話した。
料理デモンストレーションでは唐辛子ハバネロと新姫鯛をつかったセビーチェ、ハラペーニョのピカディージョ、ポブラーノトマトソースの「チレ レジャーノ」などを手際よく調理。バニラアイスと唐辛子の組み合わせなどアイデアの詰まったメニューを披露した。
参加者は飲食店主が調理方法やレシピに興味津々。出来上がった料理を試食し、辛さが旨味を引き立てる料理に舌鼓を打ちながら、料理談義に花を咲かせていた。