熊野市木本町、木本神社(田中安弘宮司、本山拓哉総代長)の例大祭が10日に執り行われた。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、2年連続で神輿の渡御は中止となり、神事のみ営んだ。
午前9時から神事があり、本山総代長はじめ総代や各町の代表者らが参列。田中宮司が祝詞を奏上し、氏神様に町民の安寧やコロナ終息などを祈願した。
続いて、舞姫の小沼詩織(御浜小6年)、髙倉陽菜(木本小6年)、久保彩々奈(同)、西笑未留さん(同5年)が浦安の舞を奉納。総代や氏子、町役員を代表し本山総代長が玉串を奉てんした。神事の最中の雅楽は熊野市・南牟婁郡の小中学生たちが篳篥(ひちりき)や龍笛(りゅうてき)を演奏した。
田中宮司は「心配された天気も持ってくれてよかった。来年は盛大に渡御をしたい」。本山総代長も「昨年に続き神事のみの斎行でした。早くコロナが終息して、楽しい渡御をしたい」と話した。
木本祭りは本来、氏神様が鎮座する総重量約1㌧の神輿、大名行列を伝える六方行列、祭りの華ヨイヤ、新田元宮太鼓、新出町のダンジリ、井筒町の子供みこし、などの約700㍍の隊列が町内を練り歩き、威勢のいい掛け声や祭囃子が響き渡る「渡御」が名物。過去には昭和天皇のご容態が悪化した1988年秋に渡御を自粛したことがある。
今年の神事を見守っていた町民らは「神事のみなのは残念でしたが、舞姫や雅楽演奏があって良かった。来年のまつりを楽しみにしたい」と話した。なお、雅楽演奏を行った子どもたちは次の皆さん。
山本涼介(御浜中3年)、小沼佑斗(近大新宮中3年)、石田陽和(木本中1年)、田中慧毅(御浜小5年)、村上晴哉(阿田和小5年)、花岡清人(金山小4年)、妻有汰紋(同)、橋目涼太郎(同)