前三重県知事の鈴木英敬氏(47)は16日、次期衆議院議員選挙に自民党公認で三重4区から立候補することを正式に表明した。「新たなステージでしっかり結果を返したい」と決意を新たにした。
鈴木氏は兵庫県出身。東京大学経済学部を卒業後、通産省に入省。2009年の衆院選で落選したが、2011年の三重県知事選挙で全国最年少知事となった。約10年5ヵ月知事を務め、今月12日に次期衆院選立候補のため辞職した。
伊勢市の神宮会館で記者会見した鈴木氏は「コロナ禍で共に戦ってきた多くの市町長や医療関係者、苦境にある中小企業で働く皆さんなどから熱いお声を頂きました。まいてきた種をより大きく花開かせたいと思い、挑戦を決意した」と述べた。
三重4区について「可能性と課題がいっぱい詰まっている。私自身、知事在任10年の中で一番たくさん思い出が詰まった、最も思い入れの強い地。政治人生をかけて、この地の可能性を引き出し、課題を解決したい」と鈴木氏。強靭なインフラ整備や1次産業、観光業など基幹産業の振興、デジタルを活用した新産業創出、若者定着、教育充実、人づくりなどに積極的に取り組む考えを示した。
自民党では14日付で三重4区支部長に選任されたことを報告。地方において医療、子育て、教育、防災、減災、国土強靭化、デジタルを飛躍的に充実させる「令和版列島改造論」を実施。コロナ対策強化では、デジタルを活用し現在の支援のあり方を見直す「ポストコロナのセーフティネット」再構築などを掲げた。「現場の声」をこれまで以上に党に届ける、党改革の必要性も語った。
任期途中で辞職したことへの声に対しては「さまざまなご意見はあると思いますが、重く受け止め、新たなステージでしっかり結果でお返しし、判断が間違っていなかったと言ってもらえるよう精進したい」と述べた。
次期衆院選の三重4区には、元三重テレビアナウンサーの坊農秀治氏(49歳、立憲民主党)と、元津市議の中川民英氏(54歳、共産党)が立候補を表明している。