熊野市有馬町、花の窟神社で8日朝、御神体の巨岩の一部が崩れ落ちているのが見つかった。岩は横約1・5㍍、縦、高さ約1㍍ほどの大きなもので、御神体前の拝殿に落下したが、けが人などはなかった。
同神社は日本書紀に神々の母イザナミノミコトが葬られていると記されており、日本最古の神社と言われる。ご神体は熊野灘に向かってそびえる高さ約45㍍の巨岩。
8日午前6時30分ごろ、境内の清掃に訪れた氏子総代が拝殿で大きな落石を発見。周囲には拝殿の白石が飛び散り、土がえぐれ、落石の衝撃の大きさを物語った。
長雨の影響か御神体からは、ひと月ほど前にも縦横50㌢ほどの落石があった。同神社では境内に「岩の破片が風化によって落下の危険があり御神体に近づかないでください」と注意喚起の張り紙を張っている。
これまでに無い大きな落石に、山川均宮司は「人的な被害がなく安心しました。10月2日の例大祭を前にこういう事態になるとは。例大祭に間に合うように復旧したい」。溝口公司責任役員は「落石が夜の間だったのが不幸中の幸い。参拝者の方には申し訳ありませんが、これからしばらくは御神体に近寄らずに参拝してもらうことになると思います」と話した。
なお、同神社の例大祭は毎年2月2日と10月2日に挙行され、参拝者の手で大注連縄を張り替える「お綱掛け神事」が県の無形文化財に指定されている。しかし、昨年からは新型コロナウイルス感染防止のため、お綱掛け神事が中止となっている。氏子の一人は「コロナでお綱掛け神事などがしっかりできず、神様が怒っているのかもしれません。コロナが早く収束して欲しい」と話していた。