地域福祉に役立ててもらいたいと、今年7月31日に御浜町に私財1千万円を寄附したとして同町の吉田久市さん(89)に紺綬褒章が贈られた。7日、町役場で伝達式が行われ、大畑覚町長が天皇陛下からの勲章と賞状を代理で手渡し、深い感謝を伝えた。
紺綬褒章は、公益のため私財を寄附した人に対して授与されるもので、公的機関や公益法人などに500万円以上を寄附した個人、1千万円以上寄附した団体に授与される。大正7(1918)年に制定された。
「社会に出て働き貯金して、お世話になっている町に寄附したいと思っていた」。そう話す吉田さんの寄附のきっかけは父親からの教えだった。吉田さんの父親も寄附活動をしており、『世のため人のために働きなさい』という言葉が強く印象に残っているという。その言葉を胸に、高額の寄附を行った。
栄えある勲章を受け、吉田さんは「心がスーッと洗われるよう。家族みんな喜んでおります」と笑顔。「これからの若い人たちにも寄附活動をしてくれる人が出てきてくれれば嬉しい」と話した。
大畑町長は「心から敬意を表し、感謝します。いつの時代も子どもは地域の宝。御浜町では安心して子どもを生み、育てられるよう支援をしております。善意の寄附は子育て世代の支援に活用させていただく」と述べた。