熊野市神川町の山中にたたずむ上山神社(山東美晴宮司)で1日、水口祭が営まれ、山路裕芳神社総代ら役員や氏子、各区長らが参列。五穀豊穣などに祈りを込めた。
山東宮司によると水口祭は農業に不可欠な水が枯れないようにと願うとともに、「虫おくり」のような悪虫退散も祈願する神事。お祓いを受けたサカキを、田んぼ等へ水を引く「水口」に挿すことからこの名がついたようで、近年では東紀州地域で神事として継続しているのは恐らく上山神社のみという。
神事では山東宮司が大祓詞と祝詞を奏上し、参列者が玉串を奉てん。浄められたサカキが参列者に手渡された。
神社総代の山路さんは「本格的な夏の日照りを迎える前に、農業に必要な水が枯れないようにとの願いも込められています。これで今年も豊作となってくれれば幸いです」と話していた。
参列者は神事終了後に早速田んぼへ赴き、持ち帰ったサカキを水口へ挿していた。