熊野市井戸町の大馬神社里宮で6月30日、夏越の大祓(なごしのおおはらえ、茅の輪くぐり)が斎行された。
夏越の大祓は穢れを人形(ひとがた・人の形に紙を切り抜いたもの)に託して茅の輪をくぐり、心身を清めて今年前半の罪や穢れを祓い、年越の大祓いまでの半年を新たな気持ちで過ごすことが出来るように祈る神事。この時期は夏の暑さが始まる事などで心身が疲れたり気力が衰えたりし、病気の流行期と考えられており、病気などせずに盛夏を乗り越えられるようにとの願いも込められているという。
前日から同神社奉賛会の会員らが地元のチガヤを編んで直径2㍍の茅の輪を用意した。昨年に続いて今年も新型コロナウイルス感染拡大防止のため、神事と一般の参拝を分けて実施。午前中に神社関係者ら約20人が参列し、神事を執り行った。
山東美晴宮司が新型コロナ終息や日々の罪穢れの大祓などを祈願。引き続き、参列者が人形を手に、「祓へ給へ、清め給へ」などと唱え詞を奏上しながら左、右、左の順に茅の輪をくぐり、最後は神前に進んでタライに汲んだ清滝の水に人形を浸し、下半期の無病息災を祈願した。午後からは一般の参拝者らに茅の輪が開放された。
茅の輪は7月4日まで境内に設置する予定。健康への願いを込めた同神社では「日々の生活の中で知らず知らずの内に、心身についた罪穢れをこの人形に託して祓い清め、無病息災をお祈りください」と呼びかけている。